人生が行き詰まってしまうと,私たちはどうしても,それを他者や社会(あるいは,自分が身を置く境遇や運命)のせいにし,被害感を募らせてしまいがちですが,いくら他者や社会を恨んだり,責め立てたりしたところで(いくら恵まれない境遇や不運を呪ったり,嘆き悲しんだりしたところで),行き詰まりを打開することはできません。なぜなら,他者や社会を自分の思い通りに変えることなど絶対にできませんし,そもそも,人生の行き詰まりが他者や社会のせいばかりとは限らなからです。なお,自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けるためには,経験から学ぶということ,特に,失敗や過ちから学ぶということが欠かせませんが,失敗や過ちから様々なことを学ぶことができるのは,その失敗や過ちを素直に認め,その責任を潔く取れる人間だけです。したがって,自分の失敗や過ちを否認し,その責任を他者や社会に押し付けようとする人間は,失敗や過ちから何も学べず,人間的に成長・向上することができません。