「現代社会は,昔ながらの伝統を保持してきた人々や,環境とより安定した関係を保って何千年も暮らしてきた社会から,学ぶべきことが山ほどある」(『オリジン・ストーリー』,デヴィッド・クリスチャン,柴田裕之訳,筑摩書房)
○何事にも一長一短がありますので,何かを手に入れるということは何かを失うということに他なりません。何かを手に入れるためには,必ず何かを失わなければなりません。現在見られているように社会が進歩・発展し,私たちの生活水準が向上したことは,もちろん肯定的に評価されるべきことだと思いますが,そのことによって私たちは何を失ったのかということについて,私たちはもっと自覚的であるべきだと思います。社会が進歩・発展し,生活水準が向上したことでに,私たちの幸福度は本当に高まっているのでしょうか。今後さらに社会が進歩・発展し,生活水準が向上していくことで,私たちの幸福度は本当に高まっていくのでしょうか。社会の進歩・発展と私たちの幸福度が比例していないとしたら,現在の延長線上に社会が進歩・発展していくことに,いったいどのような意味があるのでしょうか。私たちは,何を手に入れるために何を失おうとしているのかということについて,もっと自覚的であるべきだと思います。私たちは,ここらへんでいったん立ち止まり,私たちの幸福度を高めるためにどのような社会を目指し,どのように生きるべきなのかということについて,過去や他国に学びつつ,真剣に考えてみる必要があるのではないでしょうか。(9)(11)(12)(20)関連