私たちは,何も特別なことがなくても(例えば,他者が羨むような社会的(世俗的)成功を収めなくても),いつもと変わらない毎日を送っていても,たとえ,ままならない人生に苦しさやつらさを味わっていたとしても,ふとした瞬間に,しみじみと幸せを感じ,場合によっては,圧倒されるくらいの幸せを感じ,胸が熱くなることがあります。また,同じような境遇に生まれ育ち,同じような境遇に身を置きながら,自分の人生に満足し,感謝する気持ちを忘れることなく,常に満ち足りた気持ちで心安らかに機嫌よく笑顔で暮らしている人もいれば,自分の人生に満足できず,感謝する気持ちを忘れ,常に不満を抱えながら,いらいらと不機嫌に仏頂面で暮らしている人もいます。なお,機嫌のよい人が,周囲の人たちから親しまれやすいだけでなく,周囲の人たちをも機嫌よくさせる傾向があるのとは反対に,不機嫌な人は,周囲の人たちから疎んじられやすいだけでなく,周囲の人たちをも不機嫌にさせる傾向があります。その意味で,不機嫌であるということは,一種の迷惑行為,社会人としてのマナー違反であると言えます。真っ当な社会人であることを望むのであれば,他者や社会の役に立ち,他者や社会に益をもたらすことをこそ心がけるべきであり,少なくとも,他者や社会に迷惑を掛けたり,害をもたらしたりするようなことは,できる限り控えるべきなのではないでしょうか。