「貧しさに適応し，わずかな金でみずからを豊かにできる人は，本当に豊かな人間である（セネカ）」（『良き人生について』，ウィリアム・B・アーヴァイン，竹内和世訳，白揚社）
○たとえどれだけ多くの物（必要以上の物まで）を持っていたとしても，自分の人生に満足できず，感謝する気持ちをすぐに忘れ，不平不満ばかりを募らせながら生きている人間と，たとえ必要最小限の物しか持っていなかったとしても，自分の人生に満足し，感謝する気持ちを決して忘れることなく，常に満ち足りた気持ちで生きている人間と，いったいどちらが幸せであり，心豊かであると言えるでしょうか。幸せで心豊かな人生を送りたいと望むのであれば，私たちは，自分が持っている物の多寡に関係なく，たとえそれが必要最小限の物であったとしても，自分が持っている物（自分に与えられている命なども含め。）だけで満足できるようになる必要があるのではないでしょうか。そして，そのためには，まずは，自分と他者を比較する習慣を改める必要があるのではないでしょうか。この習慣を改めない限り，他者を羨ましがったり妬んだりする気持ちが静まることはなく，他者の持っている物ばかりが気になり，自分が持っている物だけで満足することが難しくなってしまうと思うからです。（４）（６）（７）関連
