「人は普通，幸福を手に入れる最善の方法は，自分の置かれた環境を変えることだと考える。・・・（しかし）永続する幸福を手に入れる最善のーーーひょっとすると唯一のーーー方法は，自分のまわりの世界や，そこでの自分の居場所を変えるのではなく，自分自身を変えることなのである。」（『欲望について』，ウィリアム・B・アーヴァイン，竹内和世訳，白揚社）
○同じような境遇に生まれ育ち，同じような境遇に身を置きながら，その境遇に満足し，感謝する気持ちを忘れることなく，常に満ち足りた気持ちで機嫌良く笑顔で暮らしている人もいれば，その境遇に満足できず，感謝する気持ちを忘れ，常に不満を抱えたまま不機嫌に仏頂面で暮らしている人もいます。要するに，人間の幸不幸は，境遇によって決まるのではなく，本人の心の持ち方（その境遇を本人がどのように受け止めるのか，その境遇を本人がどのような心構え・心がけで生きるのかなど）によって決まるということなのではないでしょうか。たとえどのような逆境にあろうとも，その本人が，自分は幸せであると心の底から思えるなら，その人は確かに幸せなのですから，私たちは，境遇を変えることにではなく，自分の心の持ち方を変えることにこそ，関心を払い，力を注ぐべきなのではないでしょうか。そもそも，自分の心の持ち方を変えることは，自分の意志や努力次第で可能ですが，境遇を自分の思い通りに変えることなど絶対にできないのですから。（１）（４）（６）（７）（15）関連
