○人生はままならないものであり,「一難去ってまた一難」と言うように,人生に困難や苦労は付き物です。しかし,心の目を曇らせさえしなければ,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを人生に見いだすことも可能なのではないでしょうか。生きているということは,よくよく考えてみれば一つの奇跡です。心の目を曇らせることなく,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づくことさえできるなら,私たちはきっと,たとえどのような逆境にあろうとも,たとえどのような困難や苦労に見舞われようとも,感謝する気持ちを忘れることなく,幸せであり続けることができるはずです。私たちはついつい,自分の人生を自分の思い通りにしたいなどと欲張った末に心の目を曇らせ,自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思い,感謝する気持ちを忘れるとともに,必ずしも自分の思い通りにはならない人生に不平不満ばかりを募らせてしまいがちですが,これでは,いま自分の目の前にある生きる喜びや幸せに気づくことさえ難しいのではないでしょうか。人生に隠されている(埋もれている)無限とも言える生きる喜びや幸せに気づけるようになり,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるためにも,常に小欲知足を心がけ,自分の欲望によって心の目を曇らせないようにしたいものです。(前書き)(1)(2)(4)(8)(9)関連