「たとえ家が貧しく不幸にして飢えて死ぬとしても,死ぬときまでは楽しんですごすがよい。」(『養生訓』,貝原益軒,伊藤友信訳,講談社)
○人間の幸不幸は,心の持ち方次第です。どのような逆境にあろうとも,その本人が,自分は幸せであると感じているなら,その人は幸せなのですから,他者を恨んだり,運命を呪ったりするのではなく,どのような境遇にあっても常に幸せを感じていられるように,自分の心の持ち方を変える(育て上げる)ことにこそ関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。人生は,すなわち,この世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりです。せっかくなら,世の中の否定的な側面ばかりに目を向けるのではなく,世の中の肯定的な側面にこそ積極的に目を向け,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝しつつ,人生を大いに楽しめるようになりたいものです。私たちは,人生を否定し,不幸になるためにではなく,人生を肯定し,幸せになるためにこそ,生きているのであり,この世の中に生まれてきたのですから。(2021年7月23日)(前書き)(2)(7)(8)(9)関連