○私たちは,危機的な状況や困難な状況においては,その必要性もあって,他者を協力相手(味方)と見なして互いに助け合おうとしますが,安全・安心な状況や物事がある程度自分の思い通りになっている状況においては,他者と協力する(助け合う)必要性が低下することもあり,むしろ,他者を競争相手(敵)と見なして互いに張り合おうとしてしまいがちです。しかし,現在の日本のような,豊かで安全で便利な社会で暮らしていると,人間は独りでは(孤立無援の状態では)生きていられない,ということをついつい忘れてしまいがちですが,実際には,目に見える直接的なものも目に見えない間接的なものも含め,数知れぬ他者の支えや助けがあればこそ私たちは生きていられるのです(もちろん,私たちも,仕事などを通じて他者の支えや助けになっている可能性があります。)。私たちは他者の支えや助けがなければ生きていられず,その意味で,私たちと他者は一体なのですから(相互依存関係にあるわけですから),その事実を正しく認識した上で,他者を競争相手と見なして足を引っ張り合ったり,蹴落とし合ったりするような生き方ではなく,他者を協力相手と見なして仲良く助け合ったり,幸せを分かち合ったりするような生き方をこそ心がけたいものです。(2021年5月20日)(11)(18)関連