「何ごとでもそれを成しとげるには,強い意志が必要になる。しかもその意志は,持続しなければ効果を産まない。意志を持続させるに必要なエネルギーの中で,最も燃料効率の高いのが私利私欲である。誰でも,自分のためと思えば真剣度が違ってくるからだろう。」(『日本人へ リーダー篇』塩野七生,文藝春秋)
○私たちは,人生に行き詰まるとすぐに,それを他者や運命のせいにしがちですが,他者を恨んだり,不運を嘆き悲しんでいるだけでは,何も変わりませんし(他者や運命を自分の思い通りにすることなど誰にもできないわけですから。),自分にとって得になることなど何もありません(自分の人生を自分の努力によって切り開いていく責任を負わずに済みますが,それが本人にとって得になることとは思えません。)。本気で人生の行き詰まりを打開し,実り多い幸せな人生を送りたいと願うのであれば,その行き詰まりの原因や責任は自分にある(少なくとも,自分にもある)と考え,自分を変えることによって,あるいは,自分にできることに最善を尽くすことによって人生の行き詰まりを打開しようとする方が,よほど建設的であり,実現可能性の高い,賢明な選択肢と言えるのではないでしょうか(もちろん,強い意志を持って努力し続けなければならなくなるわけですが。)。どちらの選択肢が自分にとってより得な選択肢かということを,よくよく考えたいものです。(2021年5月21日)(前書き)(9)(15)関連