○恵まれた境遇にある人は,その境遇を当たり前と思いやすく,現状に満足するということがなかなかできません。他方,恵まれない境遇にある人は,その境遇に不平不満ばかりを募らせやすく,すぐに自棄(やけ)を起こしてしまいがちです。この両者は,対照的な境遇にありながら,幸せではないという点では全く同じです。生きる喜びに満ちた幸せな人生を送りたいと本気で願うのであれば,どのよう境遇にあろうとも,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝できるようになる必要があるのではないでしょうか。そのような境地に到ることさえできれば,恵まれた境遇にある人は自然に節度を身に付けられるようになり(無い物ねだりをすることなく,現状に満足できるようになり),他方,恵まれない境遇にある人は自然に忍耐を身に付けられるようになる(自棄を起こすことなく,逆境を自分に対する試練として前向きに受け止められるようになる)のではないでしょうか。(2020年11月18日)(3)(4)(6)(7)(9)関連