「他人の不名誉のなかに,自分の名誉を求めるな。(『タルムード』)」(『文読む月日(中)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯他者の失敗や過ちを厳しく不寛容に責め立てることは,ある種の人間にとっては,自分が偉くなったように感じられて快感なのかも知しれません。しかし,そもそも愛情に基づかない言葉は相手の心には届きませんし,厳しく不寛容に責め立てるだけでは相手の成長や更生にもつながりません(むしろ,反感や反発を生じさせ,成長や更生を困難にさせてしまうのではないでしょうか。)。人間が犯す失敗や過ちは,誰もが犯す可能性のあるものばかりです。他者が失敗や過ちを犯したからといって,鬼の首を取ったように厳しく不寛容に責め立てるのではなく,「罪を憎んで人を憎まず」という寛容の精神で,同じ人間としてできる限り共感的に向き合い,相手の成長や更生につながるような支援や協力を行うことをこそ心がけたいものです。(2020年9月20日)(3)(17)関連