実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

【実り多い幸せな人生に関する名言等 213】

「私は,当人のなかにまだ失われずに残っている善の分子を介してでなければ,何人(なんぴと)をもよりよき人にすることはできない(カント)」(『文読む月日(中)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房

 

◯善意だけの人間,悪意だけの人間などいるでしょうか。どんな善人の心の中にも悪意は存在し,どんな悪人の心の中にも善意は存在しているのではないでしょうか。要するに,どんな人間の心の中にも善人と悪人が同居しているということです。しかし,私たちが他者の心の中の悪人にしか目を向けなければ,その他者は私たちの目の前に悪人としてしか立ち現れることができません。他者と敵対して張り合い,足を引っ張り合って生きるのではなく,他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合って生きたいと願うのであれば,他者の心の中の善人にこそ積極的に目を向け,その他者が私たちの目の前に善人として立ち現れてくることを可能にする必要があるのではないでしょうか。他者の否定的な側面ばかりに目を向け,他者に対して心を閉ざしてしまうのではなく,他者の肯定的な側面にこそ積極的に目を向け,他者に対して心を開き続けていたいものです。(2020年9月19日)(17)関連