「私は,人生の最大の幸福は,長生きすることだと思います。八十歳を越えると,その意味がわかります。八十歳を越えた人は,人にはあまり,長命している幸福を語りません。長命できない人,できなかった人に,心のとがめを覚えるからです。・・・人間は九十歳を越えると,死ぬとき絶対に苦しみません。」(「私の考え方-なりゆき任せ」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),伊藤桂一,文藝春秋)
◯この世の中に生まれてこれたことや,今ここでこうして生きていられることは,それ自体とても有り難いこと(まさに奇跡)であり,心から感謝すべき幸せなことであると思います。年を重ね,小欲・無欲になるにつれ,誰もが多かれ少なかれそのことに気づくようになり,それに伴って長生きすることを願うようになりますが,できれば高齢になる前に気づけるようになりたいものです。そして,若い頃から人生を大いに楽しみ,生きる喜びに満ちた幸せな,思い残すことのない充実した人生を送ることで,死が訪れた際には,それを泰然と受け止め,感謝の気持ちを新たにしながら安らかに死ねるようになりたいものです。(2020年6月26日)(2)(6)(7)(8)(11)(19)関連