「彼(賢者)は己の境遇に満足して,自分の運命に対して天を怨(うら)んだり,他人を責めたりしない。・・・それに反して愚者は,地上の幸福を求めてしばしば危険に陥る。」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯感謝する気持ちを忘れることなく,足るを知る人は,たとえどのような境遇に置かれようが,自らの人生に無限の生きる喜びや幸せを見いだすことができる。他方,感謝する気持ちを忘れ,足るを知らない人は,物事が自分の思い通りにならないことでの不平不満を募らせては運命を呪い,他者を恨むばかりであり,いま目の前にある幸せに気づくことさえ難しい。足るを知る人は,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送る中で感謝する気持ちをますます強くし,足るを知らない人は,自らの不幸を運命や他者のせいにすることで,感謝する気持ちをますます失っていく。(2020年1月14日)