「修行はさとりを求めてするのではなく，修行そのものがさとりなのだ。」（『道元禅師（下）』，立松和平，新潮社）
○私たちは，幸せになるために生きているのではありませんし，幸せになるためにこの世の中に生まれてきたのではありません。生きていることそれ自体が幸せなことなのであり，この世の中に生まれてこれたこと自体が幸せなことなのだと思います。実際，人体の免疫機能一つを取っても分かるように，生きているということは一つの奇跡であり，心から感謝すべき有り難いことです。自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うことなく，その有り難さに常に深く思いを致し，心から感謝する習慣を，是非とも身に付けたいものです。そのような習慣を身に付け，「生きてるだけで丸儲（まるもう）け」（さんま）と心の底から思えるようになるなら（生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら），私たちはきっと，社会的な成功など収めなくても（他者と競い合って財産や地位や権力や名声などを手に入れられなくても），また，たとえどのような逆境（苦境）にあったとしても，たとえどのような不運に見舞われたとしても，生きている限りは幸せであり続けることが可能になるはずです。（１）（４）（６）関連
