「人の行うべきかぎりを行うが人の道にして，そのことの成ると成らざるは人の力に及ばざるところぞ。（本居宣長）」（『心をささえる一言』，河盛好蔵，青春出版社）
○思い残すことのない充実した有益な人生を送る上において一番大切なことは，自分が好きなことに打ち込み，自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を自分の歩幅で一歩ずつ前進し続けることです。その結果として，社会的な成功を収め，財産や地位や権力や名声などを手に入れる人もいるでしょうが，それはあくまでも結果であり，目的ではありません。自分が好きなことに打ち込めること自体，心から感謝すべき有り難いことであり，幸せなことなのですから，財産や地位や権力や名声などまで手に入れようとするのは，欲張り過ぎというものです。また，人生に掲げる目標や理想は自分が進むべき道（方向性）を明らかにするためのものなのですから，簡単に到達・実現できてしまうようなものでは人生の指針になり得ず，大きければ大きいほど，高ければ高いほどいいと言えます（と同時に，自分の努力だけではどうにもならない目標や理想では，すべての努力が徒労に終わってしまう危険性がありますので，自分の努力次第で近付くことのできる目標や理想を掲げるべきであると思います。）。なお，人生に掲げる目標や理想は到達・実現するためのものではなく，一歩でも近付けるように努力するためのものなのですから，何歳になったとしても，目標や理想を掲げるのに遅すぎるということはありません。（11）（13）（14）関連
