「人は，ただ一言で，剣で刺されるよりもひどい傷を受ける。（バートン）」（『世界ことわざ名言辞典』，モーリス・マルー編，田辺貞之助監修，島津智編訳，講談社）
○私たちには自分の意見を自由に表明する権利がありますが，その権利の中に他者を誹謗中傷（ひぼうちゅうしょう）したり，他者に罵詈雑言（ばりぞうごん）を浴びせたりする権利は含まれていないはずです。言葉による心の傷は，暴力による身体の傷とは異なり，時間の経過に伴って癒やされるということがありません。心無い一言に一生苦しみ続けることさえ多いものです。そのような心の傷を負いたくないと望むのであれば，まずは自分が，他者を誹謗中傷したり，他者に罵詈雑言を浴びせたりすることをやめるべきであると思います。なぜなら，世の中に非のない人間など存在せず，また，人間が犯す失敗や過ちは誰もが犯す可能性のあるものばかりであり，他者を誹謗中傷したり，他者に罵詈雑言を浴びせたりすることが許容され，常態化している世の中においては，いつか必ず自分も誹謗中傷されたり，罵詈雑言を浴びせられたりする可能性が高いからです。「己の欲せざるところは人に施す勿（なか）れ」。これは，社会人が守るべき最も基本となるルールであると思います。（３）（11）（17）（19）関連
