自分の人生に満足することができず,不平不満を募らせ,あるいは,失意失望の淵(ふち)に沈み,自分は不幸であると思い込んでいる人間は(自分が幸せであることに気づけない人間は),「道を踏み外しても失うものは何もない」と勘違いしていることもあり,すぐに自暴自棄になっては道を踏み外してしまいがちです。また,自分と他者を比較しては,自分より幸せそうに見える他者を妬んだり,自分が不幸であることを他者のせいにしては,勝手に被害感を募らせて他者を恨んだりした挙げ句,他者をも自分と同じような不幸な状況に巻き込もうとしがちです。より具体的に言えば,内面に鬱積されている不平不満,妬みそねみ,恨みつらみといった感情の捌(は)け口を求めるようにして,陰に回って他者の足を引っ張ったり,同類と徒党を組んで,あるいは,同類と心理的に結託して,自分のことは棚に上げたまま,他者に非があると一方的に決め付けては,あるいは,他者の短所や欠点や弱みといった否定的な側面ばかりに目を向けては,他者を不寛容に責め立てたり,誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)したり,他者に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせたり,場合によっては,他者に直接的な危害を加えたりしてしまいがちです。