「余計なものを買うと,やがて必要なものを売るはめになる。(フランクリン)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○人間が他の生き物と最も異なるところは,生きていくのに必要なものだけでは満足できず,生きていくのに必要のないものまで欲しがるところなのではないでしょうか。このような貪欲さがあればこそ,人間社会は進歩・発展するのかも知れませんが,このような貪欲さのせいで,自分の人生に満足すること,すなわち,幸せな人生を送ることは,非常に難しい課題になってしまっています(幸せな人生こそが,人間にとって最も必要なものなのに。)。幸せな人生を送ることを本気で望むのであれば,私たちは,社会の進歩・発展(物質的な豊かさ)をある程度は犠牲にしてでも,自分の貪欲さに自分の意志でブレーキを掛けられるようになる必要があるのではないでしょうか。生きていくのに必要のないものまで欲しがり,それらが手に入らないからと言って不満を募らせるのではなく,生きていくのに必要なものだけで満足できるようになる必要があるのではないでしょうか。「起きて半畳寝て一畳」などとも言うように,贅沢(ぜいたく)さえ言わなければ,人間が生きていくのに必要なものなど,本当は高が知れています。生きていくのに必要なものだけで満足できるようになるなら,私たちはきっと,自分の人生に満足することが,すなわち,幸せな人生を送ることが,もっと容易になるはずです。(4)(6)(21)関連