死ぬ瞬間には誰もがきっと,自分が幸せであったこと(生きているということは,ただ生きているというだけで十分に価値のある幸せなことであるということ)に気づくと思いますが,死ぬ瞬間に気づくのでは遅すぎます。人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることができるチャンスは,たった一度きりです。その人生が生きる喜びや希望に満ちた幸せなものでなかったとしたら,私たちはいったい何のために生きているのでしょうか。何のためにこの世の中に生まれてきたのでしょうか。人生がただ苦しくてつらいだけでのものであったとしたら,たとえどれだけ長生きしたとしても,たとえどれだけ大きな社会的(世俗的)成功を収めたとしても,生きている甲斐(かい)がありませんし,せっかくこの世の中に生まれてきた甲斐がありません。