実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

学んで得られた知識は,生活の知恵としてしっかり身に付けられてこそ意味がある。

 自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けるためには,謙虚に学び続けることが不可欠ですが,「学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し」とも言うように,学んだことを実生活に取り入れ,日々の生活に役立てられるようにするためには,学んだことを自分の頭で十分に考えて咀嚼(そしゃく)し,消化し,血肉化するという作業が欠かせません。学んだことが単なる知識にとどまっていたのでは,それらが自分の心の持ち方や考え方や生き方などに影響を与えることはほとんどなく,それらを自分の人生に生かすことは難しいと思います。この世の中には膨大な知識が蓄えられており,しかも,そのほとんどが,万人に対して常に開かれていますが(私たちは,そのような知的には非常に恵まれた世の中で暮らしているわけですが),たくさんの知識を頭に詰め込んだり,クラウドに溜(た)め込んだりするだけでは,余り意味がありません。私たちが何かを学ぶのは,より善い,より人間らしい人生を送るためなのですから,知識は,体得され,実践されてこそ意味があります。たくさんの知識を行き当たりばったりに(何の目的意識もないままに)頭に詰め込むことにではなく,膨大な知識の中から自分にとって本当に必要な知識(自分が真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために必要な知識)を見極め,取捨選択し,その知識を生活の知恵としてしっかり身に付けることにこそ,関心を払い,力を注ぎたいものです。生活の知恵として体得できる知識には限りがあると思いますし,私たちが,より善く,より人間らしい人生を送るために必要な知識は,それほど多くないと思うからです。なお,「早い者に上手(じょうず)なし」,「急(せ)いては事を仕損じる」,「短気は損気」,「あわてる乞食(こじき)は貰(もら)いが少ない」,「駆け出す者は転ぶ」,「急がば回れ」,「近道は遠道」,「ゆっくり行く者は着実に進み,着実に進む者は遠くまで行く」などとも言いますので,読書に際しても,効率重視の速読ではなく,熟読・精読を心がけ,読書の途中で立ち止まって考える時間をこそ大切にしたいものです。