実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

人間は自惚れやすい生き物であるという自覚だけは,常に持っていたい。

 人間は総じて自惚(うぬぼ)れやすく,すなわち,自分の短所や欠点や弱みにはなかなか目が向きにくく,とかく自分を過大評価しては実際以上に見積もってしまいがちです。その結果,人間は自分が得意なことでこそ失敗や過ちを犯す(「策士策に溺れる」,「泳ぎ上手は川で死ぬ」,「善く泳ぐ者は溺れ,善く騎(の)る者は堕(お)つ」,「得意なことは 控え目に」(中井久夫)など),人間は得意になっている時ほど失敗や過ちを犯す(「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」,「最大の危機は勝利の瞬間にある。」(ナポレオン),「高名の中に不覚あり」,「生兵法は怪我(けが)の基(もと)」,「油断大敵」,「油断は怪我(けが)の基(もと)」,「用心は臆病にせよ」,「百里の道は九十九里を半ばとする」,「一病息災」など),災は,天災だけではなく人災も,忘れた頃にやってくる(「治にいて乱を忘れず」,「喉元過ぎれば熱さを忘れる」,「病は癒えるに怠る」,「嵐の日の決意は晴天の日には忘れられる」(天声人語)など)といった現象が生じます。人間が生きていくためには,特に無知で未熟な若者が劣等感に押し潰されることなく自信を持って前向きに生きていくためには,多少の自惚れは必要かも知れませんが,いい気になって調子に乗れば,いつか必ず大きな痛手を被ることになります。自己評価(自分に対する自分の評価)と他者評価(自分に対する他者からの評価)のズレは,社会不適応のサインであるとも言われています。致命的な失敗や過ちを避けるためにも,人間は自惚れやすい生き物であるという自覚だけは,常に持っていたいものです。自惚れやすさなども含め,人間の短所や欠点や弱みを抜本的に改善することは難しいことですが,それらを自覚することは比較的容易であり,自覚することによって自分の短所や欠点や弱みによって足をすくわれる危険性(自分を過信して痛い目に遭う危険性)は格段に低下すると思うからです。