きっと誰もが,死ぬ瞬間には,無欲恬淡(むよくてんたん)・春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)という心境に達し,様々な執着や不平不満などから解放されるのではないでしょうか。そして,曇りのない眼や心の平安を取り戻し,生きているということは,ただ生きているというだけで十分に価値のある幸せなことだったのだなあと気づき,これまで生きてこれたことや,この世の中に生まれてこれたことに対する感謝の気持ちを新たにするのではないでしょうか。ちなみに,幸せであることと感謝することは,切っても切れない密接な関係にあります。実際,私たちの心は,幸せな時には感謝する気持ちでいっぱいになりますし,何かに対して感謝している時には幸せな気持ちでいっぱいになります。したがって,常に幸せでありたいと望むのであれば,常に何かに対して感謝していればいいということになります。逆に言えば,感謝する気持ちを忘れてしまった人は,幸せになることが難しいということでもあります。