「息子の命が失われたことを悲しむのではなく,彼が生きたという事実に感謝すべきなのである。」(『良き人生について』,ウィリアム・B・アーヴァイン,竹内和世訳,白揚社)
○何事にも一長一短があります(人間が死ぬことにさえ,肯定的な側面はあります。実際,死があるからこそ生きる喜びがあるのであり,生きる喜びがあるからこそ私たちは,自分が今ここでこうして生きていられることや自分がこの世の中に生まれてこれたことに対し,感謝したり,幸せを感じたりすることができるのではないでしょうか。)。物事の否定的な側面にばかり目を向けるのは,物事の肯定的な側面にばかり目を向けるのと同じく,余りにも偏狭で不公平な物の見方と言えるのではないでしょうか。私たちは,危険を回避して長生きすべく,ついつい世の中の否定的な側面に目を向けてしまいがちですが,人生に生きる喜びや希望を見いだし,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるためには,世の中の肯定的な側面にこそ,積極的かつ意識的に目を向ける必要があるのではないでしょうか。もちろん,世の中の肯定的な側面と否定的な側面が,コインの裏表のような関係にあるということを忘れてはいけないと思いますが。(7)(9)(11)(14)(17)関連