「運が向かぬといって天に向って愚痴をいわず,社会が悪いといって人に責任を転嫁しない。地味な学問を積み重ねて,精神の向上に努めてきたい。」(『現代語訳 論語』,宮崎市定,岩波書店)
○人生が自分の思い通りにならないと,私たちはすぐに不平不満を募らせては,その原因や責任を他者や運命に求めてしまいがちです。しかし,いくら他者を恨んだり,責め立てたりしたところで,いくら不運を呪ったり,嘆き悲しんだところで,人生が自分の思い通りになるなどということは絶対にありません。人生は短く,この世の中で生きることのできるチャンスはたった一度きりなのですから,そのようなつまらないことに限りある大切な時間やエネルギーを浪費してしまうのは,本当にもったいないと思います。人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れた上で,それでも人生を自分の努力によって切り開いていこうとする強い意志や向上心は失うことなく,自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けることにこそ,より善い,より人間らしい生き方を目指して努力し続けることにこそ,限りある大切な時間を使いたいものです。(2021年6月13日)(前書き)(3)(4)(6)(9)(14)(15)関連