「テーブルとイス,フルーツとバイオリン。このほかに,人の幸せに必要なものがあるだろうか?(アルベルト・アインシュタイン)」(『ぼくたちに,もうモノは必要ない。増補版』,佐々木典士,筑摩書房)
○欲張り続ける限り,どれだけ多くの物を持っていたとしても,満ち足りるということはありません。逆に,欲張ることさえやめれば,たとえ少しの物しか持っていなかったとしても,満足することは可能です。持っている物は多くても常に不満を抱えながら生きるのと,持っている物は少なくても常に満ち足りた気持ちで生きるのとでは,いったいどちらが幸せな人生と言えるでしょうか。改めて言うまでもなく,人間の幸不幸は,持っている物の多寡とはまったく無関係ですし,むしろ,上述したように,欲張れば欲張るほど,幸せな人生を送ることは難しくなってしまいます。その事実を正しく認識した上で,できる限り欲張ることはやめ(小欲知足を心がけ),たとえ必要最小限の物しか持っていなかったとしても,自分が持っている物だけで満足できるようになりたいものです。持っている物が少なければ少ないほど,それらを持っていることの有り難みは実感しやすく,人生はかえって心豊かなものになる可能性さえあります。(2021年2月23日)(1)(4)(6)関連