「近頃は金儲けしか考えん人間が,この門前町にも増えてきましたから,寅のような無欲な男と話してると,むしろホッといたします。(御前様の言葉)」(『いま,幸せかい? 「寅さん」からの言葉』,滝口悠生選,文藝春秋)
○お金がなければ生きていけませんが,私たちは,お金を儲(もう)けるために生きているのでも,この世の中に生まれてきたのでもありません。拝金主義に染まれば,心の目が曇り,お金以外の大切なものが見えなくなってしまいます。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致すことも難しくなってしまいます。しかし,普通のつましい暮らしに生きる喜びや幸せを見いだせるようになるためには,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになる必要があり,そのためにも,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになることが欠かせません。心の目を曇らせないためにも,常に小欲知足を心がけ(必要最小限のお金で満足できるように自分の心の持ち方を改め),金の亡者になってしまわないように気をつけたいものです。(2021年2月22日)(4)(6)(7)(20)関連