「こうした知識人気取りの連中こそ,世の中を掻(か)き乱すものである。彼らはすべての事柄について自信ありげに軽率な判断を下し,当然ながら絶えず間違ってばかりいる。(パスカル)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯生半可な知識を得ると,私たちは黙ってることが難しくなり,どうしても自己顕示的に知ったか振りをしてしまいがちです。そして,そのことが,時として(影響力のある人が知ったか振りをした場合などには)世の中に混乱を巻き起こしたり,世論を誤った方向に導いたりする原因にさえなってしまいます。私たちの知識など,高が知れたものであることを十分に自覚し,少なくとも何かを発言する際には,声高に,唯我独尊的に発言するのではなく,他者の発言にも謙虚に耳を傾けつつ,自分の発言が間違っている可能性があることを踏まえた上で,できる限り控えめに発言することが望ましいのではないでしょうか。(2020年6月11日)(12)関連