「わたし(ソクラテス)は,アテナイ人諸君よ,君たちに対して,切実な愛情をいだいている。しかし,わたしが命に従うのは,むしろ神に対してであって諸君にではないだろう。」(「ソクラテスの弁明」(『プラトン全集 1』所収),田中美知太郎訳,岩波書店)
◯自分と世界,自分と他者は一体なのですから,自分の幸せのみならず他者の幸せをも願いつつ,他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合って生きること(少なくとも,できる限り他者に害を与えないように生きること)は大切なことであると思いますが,世間の評価に振り回されて自分を見失ったり,自分の信念をねじ曲げたりすべきではないと思います。たった一度きりの人生なのですから,世間の評価などあまり気にせず,自分が本当に納得できる生き方を貫くこと,そのことを通じて自分の可能性を十分に花開かせ,思い残すことのない充実した人生を送ることこそが重要なのではないでしょうか。(2020年4月21日)