「社会で生きていくためには,たくさんの知識が必要です。瞑想能力というのは,そうしたたくさんの知識を吸収した大人になったあとに,知識に惑わされずに真実を見るために必要なものなんです。(成瀬)」(『身体で考える。』,内田樹・成瀬雅春,マキノ出版)
◯人間は,社会に適応するために様々な知識や技術を必要としますが,過剰な知識は,知識の大切さをかえって分からなくさせてしまったり,目の曇りとなって,あるがままの現実を見ることを難しくさせてしまったりしがちです。幸せに,また,真に人間らしく生きていくためには,そのために必要な知識を見極めたり,知識に惑わされることなく,自分の心の声にじっと耳を傾けたり,あるがままの現実をじっくり観察したりする能力を養う必要があるのではないでしょうか。(2020年4月22日)