○より善く,より人間らしく生きるためには,自分の狭い経験からだけではなく,読書などを通じて広く他者の経験からも学ぶ必要がありますが,「学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し」とも言うように,学んだことを実生活に生かすためには,学んだことを自分の頭で十分に考えて咀嚼(そしゃく)し,消化し,血肉化するという作業が欠かせません(学んだことが単なる知識にとどまっていたのでは,それを実生活に生かすことは難しいと思います。)。どのような情報にも簡単にアクセスできる便利な時代になりましたが,より多くの情報にアクセスし,より多くの知識を頭に詰め込む(あるいは,クラウド上にため込む)ことよりは,氾濫する情報の中から自分に本当に必要な情報を見定め,それを単なる知識としてではなく,より善く,より人間らしく生きるための生活の知恵としてしっかり自分の血肉にすることにこそ関心を払い,力を注ぎたいものです。(2021年7月14日)(12)関連