「どの宗教やイデオロギーや信条にも陰の面があり,どの信条に従おうと,自分の陰の面を認め,道を誤るようなことは「私たちには起こるはずがない」などという甘い考えを抱いて安心するのは避けるべきだ。」(『21 Lessons』,ユヴァル・ノア・ハラリ,河出書房新社)
◯人間が考えることに,完璧ということはありえません。信念を持つことは,自分が進むべき道を明らかにする上において大切なことであると思いますが,それを過信しないということも同じく大切なことであると思います。成長(成熟)・向上に伴って自分の信念に変化が生じるのは極めて自然なことであり,自分の信念にこだわり,固執するあまり,柔軟性を失って成長・向上が阻害されてしまうのでは本末転倒です。自分が進むべき道を前進し続け,自分の可能性を十分に花開かせるためにも,信念というものは,開かれた心で常に謙虚に見直され,より良いものに修正されていく必要があるのではないでしょうか。(2020年4月20日)