「煩悩(ぼんのう)の焔(ほのお)に身を焼く者,快楽を渇望する者,絶えず自分の肉欲を募(つの)らせ,われとわが身を鉄鎖に繋ぐ。/ただ心の平安のみに思いを潜(ひそ)め,我が心を深く省(かえり)み,人々が幸福とせぬところに幸福を見出す人---そのような人はその死の鉄鎖を断ち切り,永遠にそれを棄て去るであろう。(仏陀の金言)」(『文読む月日(中)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯肥大化された欲望の満足を追い求めるのではなく,いま目の前にある小さな幸せに気づき,そこに生きる喜びを見いだそうとする生き方こそが望ましい,ということであろうか。(2019年8月6日)