2019-08-23から1日間の記事一覧
「昔,言葉が,石に刻まれたり,煉瓦(れんが)に焼きつけられたり,筆で写されたりして,一種の器物の様に,丁寧な扱いを受けていた時分,文字というものは何と言うか余程目方のかかった感じのものだったに相違ない。」(「ガリア戦記」(『小林秀雄全作品 …
「彼(兼好)には常に物が見えている,人間が見えている,見え過ぎている,どんな思想も意見も彼を動かすに足りぬ。」(「徒然草」(『小林秀雄全作品 14』所収),小林秀雄,新潮社) ◯曇りのない眼でこの世界をあるがままに見られるようになること。それ…
◯これだけ豊かで便利な社会の中で,欲望の肥大化を抑えて生きるということは,相当の困難を伴う課題であるに違いない。しかし,幸せになりたいのであれば,欲望を肥大化させることの不幸を十分に認識した上で,強い意志と覚悟を持って欲望の肥大化を抑え,ご…
「貪欲(どんよく)な者のあいだにあって,貪欲を離れて生きるわれわれは,なんと幸福であろう! 貪欲のために苦しむ人々のなかで,われわれは貪欲を免れつつ暮らす!(仏陀の金言)」(『文読む月日(中)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯貪欲で…