「人に嫌われたくない,好かれたいというその思いが,君を本当の君でなくしているんだ。」(『14歳の君へ』,池田晶子,毎日新聞出版)
○日本人は他者からの評価を過度に気にしやすい国民と言われていますが,他者からの評価など,そのほとんどは噂(うわさ)の域を出ず,ちょっとしたことですぐに手のひら返しに変わってしまうような無責任でいい加減なものです。そんなものに一喜一憂したり,右往左往したりすることほど馬鹿らしいことはありません。そんなもののために自分の信念を捻(ね)じ曲げてしまったり,本当の自分を見失ってしまったりしたとしたら,自分が生きている意味や自分がこの世の中に生まれてきた意味がなくなってしまいます。もちろん,私たちは他者のお陰で(他者の支えや助けがあればこそ)生きていられるのですから,他者に対する関心を失ってはいけませんし,困っている他者や苦しんでいる他者の手助けは積極的に行うべきであると思いますが,他者からの評価など余り気にしない方がよいのではないでしょうか。たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,他者からの評価などに気を散らすことなく,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけたり,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けたり,自分の信念や自分が本当に納得することのできる(自分に恥じることのない)生き方を貫き通したりすることにこそ,気持ちを集中し,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(11)(13)(14)関連