「ニュースなんか見る限り,世の中は殺人と戦争と金もうけばかりだ。こんな世の中で,これから生きてゆくことに,どんな意味がある。生き残るためには,まるで殺し合いと金もうけしかないみたいじゃないか。」,「人が生きてゆくのは,よい人生を生きるためだ。自分にとってのよい人生,幸福な人生を生きることが,すべての人の人生の目的だ。悪い人生,不幸な人生を生きたいと願う人はいない。すべての人は,よい人生を生きることを願っている。」(『14歳の君へ』,池田晶子,毎日新聞出版)
○私たちは,他者(さらに言えば,他国)と競い合い,財産や地位や権力や名声などを手に入れるために生きているのではなく,真に人間らしく実り多い(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るためにこそ生きているのではないでしょうか。もしそうであるなら,私たち大人は,未来を担う子供たちに対し,実り多い幸せな生き方をこそ奨励し,また,自分の生き様などを通してその手本を示すべきであり,(財産や地位や権力や名声などを手に入れた人たちを殊更に賞賛したり,特別扱いしたりすることなどを通じて)他者と競い合って足を引っ張り合ったりパイを奪い合ったりするような生き方をそそのかすようなことはやめるべきなのではないでしょうか。子供たちが,この世の中に失望・絶望することなく,真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるようになるためには,まずは大人たちが,自分たちのこれまでの生き方や考え方を反省し,見直す必要があるのではないでしょうか。(前書き)(2)(4)(6)(9)(10)(11)(14)(20)関連