実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(12)⑧物事にじっくり粘り強く取り組み続けることが正当に評価される社会になって欲しい。

 効率(能率)が重視される社会においては,早さが求められます。物事を処理する早さが競われ,早ければ早いほど高い評価が得られます。一定時間内にどれだけ多くの問題を解くことができるかということで,入学できる学校も,入社できる会社も,ほぼ決まってしまいます。しかし,冷静に考えてみれば,人生において,物事を手早く処理することに,いったいどれだけの価値や意味があるのでしょうか。物事を手早く処理することより,物事にじっくり粘り強く取り組み続けることの方が,よほど重要なのではないでしょうか(長年にわたって怠ることなく一つのことに取り組み続けられればこそ,才能の有無にかかわらず,上達もし,相応の成果も得られるのですから。)。「早い者に上手(じょうず)なし」,「急(せ)いては事を仕損じる」,「短気は損気」,「慌てる乞食(こじき)は貰(もら)いが少ない」,「駆け出す者は転ぶ」,「急がば回れ」,「近道は遠道」,「ゆっくり行く者は着実に進み,着実に進む者は遠くまで行く」などとも言います。物事を手早く処理することよりも,物事にじっくり粘り強く取り組み続けることをこそ心がけたいものですし,そのようなタイプの人間が正当に評価される社会になってもらいたいものです。なお,読書に際しても,読書を通じて学んだ知識をしっかり血肉化するためにも,効率重視の速読ではなく,熟読・精読をこそ心がけ,読書の途中で立ち止まってじっくり考えたり,じっくり味わったりする時間を大切にしたいものです。