実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(9)④私たちの心には生まれ付き,全体のバランスを取ろうとする特性が備わっている。

 世の中の否定的な側面ばかりに目を向ける習慣を身に付けてしまった人が,世の中の否定的な側面のみならず,世の中の肯定的な側面にも広く公平に目を向けられるようになるということは,「言うは易(やす)く行うは難し」であるかも知れませんが,私たちの心には生まれ付き,全体のバランスを保とうとする,あるいは,全体のバランスを回復させようとする特性,例えば,偏った不公平なものの見方や考え方や生き方を,よりバランスの取れた公平なものに変えようとする「自然治癒力」のようなものが備わっているのではないでしょうか(バランスを取ろうする余り,しばしば振り子が反対側に振れ過ぎてしまうことがありますので,その点には留意が必要ですが。)。「誰も信じられない。」と,他者に対して心を閉ざしている人の心の中にも,信じることのできる他者に巡り会いたいという気持ちはきっと残されていると思いますし,「生きていたって,いいことなんか何もない。」と,人生を悲観している人の心の中にも,人生に対する希望を完全には失いたくないという気持ちはきっと残されていると思いますし,「自分なんかどうなったって構わない。」と,自分を粗末に扱っている人の心の中にも,自分をこれ以上粗末に扱いたくないという気持ちはきっと残されていると思います。大切なことは,そのような気持ちをいかに呼び覚まし,強化していくか,ということなのではないでしょうか。