「人間のすべての性質のなかで,嫉妬は一番みにくいもの,虚栄心は一番危険なものである。心の中のこの二匹の蛇からのがれることは,素晴らしくこころよいものである。」(『眠られぬ夜のために』,ヒルティ,草間平作・大和邦太郎訳,岩波書店)
○自分と他者を比較し,他者を妬み続ける限り,他者を協力相手(味方・仲間)と見なして助け合ったり,生きる喜びや幸せを分かち合ったりすることは難しく,他者を競争相手(敵)と見なして足を引っ張り合ったり,パイを奪い合ったりするような生き方を選択せざるを得なくなってしまいます。また,謙虚さを失えば,そこで人間的な成長(成熟)・向上は止まってしまい,自分の可能性を十分に花開かせたり,実を結ばせたりすることができなくなってしまうとともに,あとは退歩・退行し,堕落するだけになってしまいます。そのような生き方をしたくない,そのような人生を送りたくないと望むのであれば,自分と他者を比較する悪癖を改め,自分の人生に気持ちを集中し(例えば,自分が好きなことに打ち込み),自分の人生に満足できるようになるとともに,何歳になっても自分が無知であり未熟であるという自覚(初心)を忘れることなく,謙虚さを失わないように心がける必要があるのではないでしょうか。(1)(3)(11)(12)(13)(14)(18)関連