「すべての人が目に入るものをすべて見ているわけではない。(バルタサール・グラシアン)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○私たちは,世の中の否定的な側面を強調して(世の中の否定的な側面にばかり焦点を合わせて)報道する傾向のあるマスコミの影響もあり,世の中に否定的な側面にばかり目を向けてしまいがちです(生き物には本来,危機を回避し,困難を乗り越えて生き残る必要上,そのような傾向があるようですが。)。しかし,世の中の否定的な側面にしか目を向けられなくなってしまったら,人生に生きる喜びや希望を見いだすことは難しく,人生はただ苦しくてつらいだけのものになってしまいます。それでは,たとえどれだけ長生きしたとしても,生きている甲斐(かい)がありませんし,わざわざこの世の中に生まれてきた甲斐がありません。人生に生きる喜びや希望を見いだせるようになり,ひいては,生きていることや,この世の中に生まれてきたことに,心から感謝し,幸せを感じられるようになるためには,世の中の肯定的な側面にも広く目を向けられるようになる必要があるのではないでしょうか。何事にも一長一短があるものです。世の中に否定的な側面があるのは事実ですが,肯定的な側面があるのも事実です。生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたいと願うのであれば,私たちは,世の中の肯定的な側面にこそ積極的かつ意識的に目を向けるべきなのではないでしょうか。(1)(2)(5)(7)(8)(9)(11)関連