○長所や美点や強みしか持たない人間などいません。例外なく誰もが,長所と短所,美点と欠点,強みと弱みの両方を持っています。したがって,この世の中で暮らしていて,褒められるだけなどということはあり得ません。むしろ,「出る杭(くい)は打たれる」とも言うように,褒められることが多くなればなるほど,貶(けな)されることも多くなるのが普通です。称賛されたり,脚光を浴びたりすることが多くなればなるほど,誹謗(ひぼう)中傷されたり,罵詈(ばり)雑言を浴びせられたりすることも多くなるのが普通です。褒められれば嬉(うれ)しくなるのが人情ですし,特に日本人は,他者からの評価や世間の評判などを過度に気にしやすい国民であるとも言われていますが,心の平安を乱されることなく,自分が好きなことに打ち込み,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を邁進(まいしん)し続けたい,そのことを通じて,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立ち,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたいと願うのであれば,毀誉褒貶(きよほうへん)などに一喜一憂することなく(そもそも,他者からの評価など,ちょっとしたことですぐに手のひら返しに変わってしまうような無責任でいい加減なものです。),なるべく目立たないように慎み深く控えめに生きるのが(人知れず黙々と努力し続けるのが),最も賢明な生き方と言えるのではないでしょうか。(11)(12)(13)(14)(16)関連