「すべて学問は,始めからその志を高く大きく立てて,「必ずその奥を究め尽くそう」と固く決心しなさい。この志が弱くては学問は上達し難く,倦(う)み怠(おこた)るものである。」(『宇比山踏(本居宣長選集三)』,山口志義夫訳,多摩通信社)
○自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けることによって自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせたい,そのことを通じて多少なりとも他者や社会の役に立ちたい,と願うのであれば,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ,あるいは,自分がやっていることを本当に好きになり,そこに自分が信じることのできる自分なりの目標や理想を見いだし,その目標や理想に一歩でも近づくための努力を心から楽しめる,ということが重要なのではないでしょうか。なお,目標や理想は,簡単に到達・実現できてしまうようなものでは人生の指針にはなり得ず,また,人生の途中で自分が進むべき道を見失ってしまうことにもなりかねません。したがって,「少年よ大志を抱け」という言葉どおり,人生に掲げる目標や理想は,大きければ大きいほど,高ければ高いほどよいとさえ言えます。当然のことながら,人生に掲げる目標や理想は,到達・実現するためのものではなく,自分が進むべき道を明らかにするためのものなのですから,たとえ何歳になろうとも,目標や理想を掲げるのに遅すぎるということはありません。(11)(13)関連