「いやだ と言わせてください/いやがってるのはちっぽけな私じゃない/幸せになろうとあがいている/宇宙につながる大きな私のいのちです」(「いや」(『自選 谷川俊太郎詩集』所収),岩波書店)
○私たちは宇宙の,生物界の,人類(人間社会)の一部分なのであり,宇宙や生物界や人類から切り離されて生きていくことはできません。私たちと宇宙,私たちと生物界,私たちと人類は一体なのですから,宇宙や生物界や人類のために生きることこそが,自分のために生きることなのであり(宇宙や生物界や人類を大切にし,それらを益する行動は,必ず回り回って自分を大切にし,自分を益することにつながるのであり),そのような生き方こそが人間として自然で真っ当な生き方と言えるのではないでしょうか。宇宙や生物界や人類と私たちは一体であるという認識の下,宇宙や生物界や人類の声なき声にしっかり耳を傾けつつ,宇宙や生物界や人類に益をもたらすような行動を常に心がけたいものです。そのためにも,まずは,「情けは人の為(ため)ならず」という諺(ことわざ)の意味をじっくり噛(か)み締めた上で,他者を競争相手(敵)と見なして足を引っ張り合ったり蹴落とし合ったりするような生き方を,他者を協力相手(味方)と見なして仲良く助かったり幸せを分かち合ったりするような生き方に改めたいものです。(2021年3月20日)(11)(19)関連