「世界に別れを告げる日に/ひとは一生をふりかえって/じぶんが本当に生きた日が/あまりにすくなかったことに驚くだろう(茨木のり子)」(『教養が滲み出る 極上の名言1300』,斎藤茂太監修,日本文芸社)
○きっと死ぬ瞬間には誰もが,無欲恬淡(むよくてんたん)の心境に達し,様々な執着や不平不満などから解放されることによって,自分の人生を曇りのない眼で振り返ることが可能になるのではないでしょうか。人生は,すなわち,この世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりなのですから,死が訪れた際に自分の人生を振り返り,後悔するような生き方(人生に悔いを残すような生き方)だけは避けたいものです。そのためにも,まずは,どのようにすれば生きる喜びに満ちた幸せな人生を送ることができるのか,どのようにすれば真に人間らしく実り多い人生を送ることができるのか,といったことを真剣に考え,実践(試行錯誤)してみる必要があるのではないでしょうか。自分なりの答えを見定め,自分が信じる目標や理想に向かって邁進(まいしん)するような人生を送ることができるなら,たとえ道半ばで死を迎えることになったとしても,安らかな気持ちで死を迎えることができるのではないでしょうか。くれぐれも,欲に目を暗まして(曇らして)物事の優先順位を間違えたり,自分が進むべき道を見失ったりしないようにしたいものです。(2021年3月15日)(2)(3)(8)(9)(10)(11)(14)(20)関連