「法(真理)を知っていても実践しなければ/その法は何の役にもたたない。」,「法と不法を説く/賢者は非常に多いけれど/知って実践する人は/世の中にはきわめて少ない。」(『サキャ格言集』,今枝由郎訳,岩波書店)
○学んで得た知識は,頭に詰め込む(クラウド上に溜(た)め込む)だけではあまり意味がありません。「医者の不養生」,「坊主の不信心」,「論語読みの論語知らず」などと言われないようにするためにも,学んで得た知識は,自分の心(魂)の声や身体の声にも耳を傾けつつ自分の頭で徹底的に考えるなどして咀嚼(そしゃく)・消化・血肉化され,「生活の知恵」として実生活において生かされるようになってこそ意味があります。世の中に氾濫している雑多な知識を頭に詰め込むことにではなく,世の中に氾濫している雑多な知識の中から自分にとって本当に必要な知識(自分が実り多い幸せな人生を送る上において本当に必要な知識)を見極め,取捨選択し,体得・実践できるようになることにこそ,関心を払い,力を注ぎたいものです。(12)(後書き)関連