「人類史約200万年の間に,いまだかつて現在われわれが経験しているような豊かな社会というものはなかった。」(『増補版 今西錦司全集 第十巻』,講談社)
○私たちが暮らしている社会は,人類史上最も豊かな社会と言えます。にもかかわらず,なぜ私たちはこのような豊かな社会で暮らせることに感謝するどころか不平不満ばかりを募らせてしまうのでしょうか。感謝することと幸せであることの間には,切っても切れない密接な関係があります。実際,私たちの心は,何かに対して感謝している時には幸せな気持ちでいっぱいになっているのが普通ですし,幸せな時には何かに対して感謝する気持ちでいっぱいになっているのが普通です。このような豊かな社会で暮らせることに対する感謝の気持ちを忘れさえしなければ,不平不満を募らせることもなく,私たちはもっと幸せな人生を送ることができるのではないでしょうか。自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うことなく,その有り難さ(このような豊かな社会で暮らせることの有り難さだけでなく,この世の中に生まれてこれたことの有り難さや,自分の命を守り,自分が生きることを可能にしてくれている大自然の神秘的とさえ言える精妙な仕組みや働きの有り難さや,自分の生活を成り立たせてくれている数知れぬ他者の直接的又は間接的な支えや助けの有り難さなども含め。)に常に深く思いを致し,感謝する気持ちを決して忘れないようにしたいものです。(2)(4)(6)関連