「大器をつくるにはいそぐべからざること」,「速成では大きな人物はできない。大器は晩(おそ)く成る」(『世に棲む日日』,司馬遼太郎,文藝春秋)
○長年にわたって怠ることなく努力し続ければこそ,才能の有無にかかわらず,それなりに上達し,相応の成果も得られ,自分を人間的に成長(成熟)・向上させることもできるのではないでしょうか。したがって,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせたい,そのことを通じて多少なりとも他者や社会の役に立ち,他者や社会に益をもたらしたいと望むのであれば,困難や苦労にめげることなく努力し続けることこそが重要なのであり,その他のことはそれほど重要ではないのではないでしょうか。なお,私たちは,自分が好きなことだからこそ困難や苦労にめげることなく努力し続けることができるのですから,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたいと望むのであれば,まずは自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけること,あるいは,自分が現在やっていることを本当に好きになることから始める必要があると思います。そして,そのためにも,何事も嫌々やるのではなく,前向きな気持ちで全力で取り組む習慣を身に付ける必要があると思います。相応の期間,前向きな気持ちで全力で取り組み続ければ,何事にも何らかの楽しさややりがいを見いだせるようになるのが普通だからです。(11)(13)関連