「愚か者は自分が賢いと思い,賢者は自分が愚かなことを知っている。(シェークスピア)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○物事は,何事であっても,深く知れば知るほど分からないことも増えてくるものです。したがって,物事を本当に深く知っている人間(賢者)は,たとえ何歳になろうとも,たとえどれだけ多くの経験を積もうとも,自分が無知であるという自覚を失うことがありません。他方,物事を浅くしか知らない人間(愚か者)は,生半可な知識を得て自分は何でも知っているつもりになってしまいやすいため,すぐに自分が無知であるという自覚を失ってしまいがちです。当然のことながら,自分が無知であるという自覚を失えば,物事を謙虚に学ぶ姿勢も同時に失い,そこで人間的な成長(成熟)や向上は止まってしまいます。そして,あとは退歩・退行し,堕落する一方になってしまいます。このような状況に陥ってしまわないようにするためにも,生半可な知識を得て何でも知っているつもりになってしまうことなく(物事をできる限り深く知ることに努め),自分は無知であるという自覚だけは,決して失わないようにしたいものです。(12)関連