自分の欲望に自分の意志でブレーキを掛けない限り,私たちは,どのような恵まれた境遇にも,すぐに慣れ,それを当たり前と思うようになり,感謝する気持ちを忘れるととも飽き足りなくなってしまいます。実際,私たちが暮らしている社会は人類史上最も豊かで安全で便利な社会と言えますが,私たちは,そのような恵まれた社会で暮らしながらも,そのことに感謝するどころか,むしろ,不平不満ばかりを募らせてしまいがちです。暖衣飽食の生活を送る中で,自分の人生は自分の思い通りになると思い上がるようになってしまい(自分の人生を自分の思い通りにしたいと欲張るようになってしまい),結局は,ままならない人生に対する不平不満ばかりを募らせては,自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまい(自分は不幸であると思い込むようになることと不幸になることは,まったく同じことです。),自分が幸せであることに気付けなくなってしまいます。