実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きるのが,最も賢明な生き方である。

 「出る杭(くい)は打たれる」,「大木は風に折られる」,「高い木には風が当たりやすい」,「人は実のなった木にしか石を投げぬ。」,「山高ければ谷深し」,「誉れは謗(そし)りの基(もと)」,「褒むるはそしると思え」,「美人はつらいよ」(五味太郎)などとも言うように,称賛されたり,脚光を浴びたりすることが多くなれば多くなるほど,誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)されたり,罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられたりすることも多くなるのが世の常です。そもそも,人間は誰しも,肯定的な側面(長所や美点や強みなど)と否定的な側面(短所や欠点や弱みなど)の両面を兼ね備えているわけですから,称賛されるだけなどということは,絶対にあり得ません。心の平安を乱されることなく,自分の好きなことに打ち込み,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けることにこそ気持ちを集中し,力を注ぎたい,そのことを通じて自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立ち,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたいと望むのであれば,「能ある鷹(たか)は爪を隠す」,「大賢は愚なるが如(ごと)し」,「君子危うきに近寄らず」,「触らぬ神に祟(たた)りなし」などとも言うように,なるべく目立たないように慎み深く控え目に,「縁の下の力持ち」として,あるいは,「一隅を照らす」心構えや心がけで生きるのが,最も賢明な生き方と言えるのではないでしょうか。実際のところ,世の中は,表舞台で派手に脚光を浴びている有名人たちによってではなく,舞台裏で人知れず地道に黙々と,しかも楽しみながら努力している無名の人たちによってこそ支えられているのだと思います。なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きながら,それでもなお他者から称賛されるような事態に至ってしまった場合には,「褒める人には油断すな」,「耳の楽しむ時は慎むべし」などと言うとおり,一段と気を引き締めて慎み深く控え目に生きる必要があるのではないでしょうか。称賛されて調子に乗れば,後で必ず痛い目を見ることになると思います。